明日明暗寺で
2009年 06月 13日
卓道は今回は明暗真法流秘曲「行霧海箎」を我が弟子が作ったポン抜きのペラペラ8寸管で吹きます。
この曲は約700年前、覚心(法燈国師)の高弟寄竹(明暗寺開祖虚竹禅師)が行脚で、道々戸ゴトに笛を吹いた廻った。そして、伊勢朝熊山の虚空蔵堂に至り、うつらうつらしているときに、夢中に、海上の小舟に独り月明かりを眺めていた。霧がかかりその霧の中から笛の音が聞こえてきた。またこの霧が一箇所に集まり、その中から再び妙音が聞こえてきた。これらの妙音を尺八によって模して二曲にして、師(学心)に聴かせ、名付けてもらう。先にものを”霧海箎”、後者は”虚空”と名付けられた。と「虚鐸伝記国字解」(1789年)にある。
この辺は虚無僧が「普化宗」として成り立っていく時の宗教的な裏付けが必要となった中での作文的要素が強いんですが、とにかく古典本曲、虚無僧尺八、普化尺八と言われる中で、「霧海箎」は根源的な古い曲であることは確かだと思います。しかもいろんな同名異曲が伝わる中「真法流」のは特に古いものです。
真法流「霧海箎」は真、行、草があり「真霧海箎」は30分近い大曲です。フレーズは簡単なものですが、それを伝説を踏まえどのような「響き」であったのかとの対面する。非常に集中を要求されます。
そういう意味では本曲をやってる人たちが(卓道も含め)海童道道曲になびくのがおおいですが、確かにアドリブ(パターン化されてはいるようですが)があり、メロディアスなところもあり好きなんですが、やっぱたまには心して「開宗根元三虚霊明暗的伝秘曲」に挑んでおります。
もう遅くなったけど、是非明日、明暗寺にお運び下さい。