夏の夜は浅川マキで
2011年 08月 29日
グレース(品川無線)のアームということもあって、カートリッジにも同じグレースのF-8Lも試してみた。するとMMカートリッジでも良い音してるんで、DENONの隠れた逸材DL-109R(Dの楕円針付き)やテクニクスのEPC-205MARK2H等を聴いてみた。なかなか良いし、そうか103無印は高域が弱いと言われているのは幾ばくかあたっているンかなと感じた。
しかし103をいい音にをテーマにして来た手前あっさりとは引けない。今までのヘッドシェル・リード線のとっかえひっかえの地獄を踏まえて、シェルにカーボン+テキサリュームによるハイブリッドFRPシェルOyaideの HS-TFにして聴くと今までにない凄く良い感じになった。リード線は附属の PCOCC-A では103の力強さが落ち着いちゃうんで、山本音響の銀メッキ銅線のYR-01とした。
今までに耳にしたことがない表現はいろいろあろうけど自分好みの音が再現した。HS-TFは良いですね。TFというのがまさに卓道のイニシャル!
そのままで良いが、ココは触手が伸びてもう一つ生かすことが出来ていなかった兄貴分のDL-10 3D(楕円針)に変えてみた。
浅川マキの4枚目のアルバム「Blue Spirit Blues」 (72.12.1/TOCT-27044)。
1. Blue Spirit Blues 2. 難破ブルース
3. 奇妙な果実 4. あの娘がくれたブルース
5. HUSTLIN' DAN 6. ページ・ワン
7. 灯ともし頃 8. 町
9. 大砂塵
この盤自体の録音は後年より良いとはおもはないが、凄く音は鮮明に、そして空間的な拡がり、そして何よりもマキの唄いップリが迫ってくる。ビリーホリディの「奇妙な果実」のカバーも凄い!!!!山下洋輔がソロでピアノを叩く!そしてマキの唄。もう泣けてくる。
次に「Maki Ⅵ」 (74.12.20/TOCT-27046)に針を落とす。
山下洋輔・森山威男・坂田明のトリオにベースの稲葉国光が加わったライブ盤だ。
1. わたしの金曜日 2. 港町
3. ジン・ハウス・ブルース 4. キャバレー
5. あんな女ははじめてのブルース
6. 今夜はおしまい 7. 戸を叩くのは、誰
8. ボロと古鉄
こてこてのジャズが流れる。坂田のSAXも洋輔のピアノも奇麗に流れる。そういう意味でちょっと物足りな い感じも。洋輔のピアノにのせて流れる「わたしの金曜日」はいい。
20代後半の時に聴きまくったアルバムだけど、今改めて聴くと感動をもたらす。それは今の自作中心のオーディオシステムのなせる技か。はたまたMICROのMR-611プレーヤー+グレースG-545というアームというまさに当時のシステムに、当時の無印103をグレードアップした103D(1977年)が拾いだした音空間なんであろう。当時はDENONのDP-1700(ダイレクトドライブ)にFー8LなどのMMカートリッジ、アンプはメーカー製の既製品だった。
夏の夜は深けていく。