明暗寺では久しぶりなんで、やっぱ尺八古典本曲(普化尺八)の中でも
根源的な物を献奏したいと思い「行霧海ジ」を吹奏することに決めた。
明治になって廃仏毀釈があって古い虚無僧尺八の流れが断ち切られたが、
この曲はそれ以前の真法流の古い曲で、根源的な曲である。
ならばと、まともないわゆる尺八でなく、先週弟子のYさんが作ったと持参した、8寸管で吹いてみよう。真竹の根株を使わず、ぺらぺらの薄い竹で作ったパチ物風だ。ピッチもあやふやだし、甲音のルは出ない。ひっくり返る。でも考えれば江戸の虚無僧尺八が拡がった頃、そないにりっぱな尺八があったとは考えられない。とすれば、当時の音に迫るには、このような、多分今の尺八吹く人からは振り向かれることのない竹で!と。
まぁいろいろいじくりながら、練習開始。この「尺八」の個性を尋ね、信頼関係を築いていく。すして曲の流れに一音の音色を尋ねる。
左が製管師の作ったの。右がぺらぺら。
ばちっとした尺八にくらべ倍音が何というか、周波数的にずれてんじゃねーか?という感じ。だけど面白い。音は柔らか。チャレンジ続けよう。
6月14日(日)PM1:00開演 入場無料
第11回明暗尺八道友会
尺八古典本曲独奏会
場所:虚霊山明暗寺
(京都市東山区本町十五丁目797) TEL 075-561-7889
主催:明暗尺八道友会